某所で「ニコニコにもキュレーター的な制度?があったらより面白いのにね」みたいな話が上がっていたので、無いなら作れの精神でそんな感じの事をしようと思います。ニコニコのおすすめ動画やシリーズを週一くらいで紹介するやつです。
私のニコニコ動画でボイロ劇場を見る、というライフには欠かせない、叩きつけるような衝撃を与えてくれたこの作品を、最初の紹介作品にしたいと思います。
Dark Echo -琴葉葵の看る夢は-
Dark Echo -琴葉葵の看る夢は-は、めうめうおじさん 氏による、VOICEROID劇場作品です。
基本的にネタバレはしませんが、一話目の内容だけざっくりと触れます。ご了承ください。
とにかく、ネタバレとかには気を付けつつ只管面白いからこれ見てねーという内容です。
本作は、DarkEchoというゲームにオリジナルの物語を合わせた、ボイロの界隈では『遊劇場』なんて呼ばれ方もしているジャンルの動画作品です。
DarkEchoは、真っ暗な画面の中で音だけが「視認」できるという特殊なゲーム。
その音の反響を見て、自分が立っている場所の地形を把握し、ゴールを目指します。私も実際にプレイしましたが、これだけでかなり面白いゲームです。
ゲームを進めていくと、触れただけで死んでしまう「音」があります。これが赤く表現されることにフォーカスして、重厚なストーリーに繋げていったのが、この『琴葉葵の看る夢は』という物語。
DarkEcho自体には、ストーリーはありません。
全てがプレイヤーの想像に委ねられているとも言えますが、ビジュアル的に何かを匂わせるというようなことも無く、シンプルなパズルゲームとしてプレイする人がほとんどでしょう。
にもかかわらず、この物語は『まるでDarkechoというゲームには最初からこんな物語がついていた』ように思わせる、強い説得力と、面白さ。惹きこまれる力強さがあります。
開幕から、『通り魔に襲われたストレスで失明をした茜』と、その茜との関係性がとても良好とは言えない葵。
そして、その不仲の原因すら、覚えていない葵。その記憶を尋ねる葵に、「何があってもうちは葵の味方だから」とはぐらかす茜。
その茜に頼まれて、手を繋いで茜が眠るまでを過ごしていた葵は、しかし自分も眠ってしまう。
――そして葵は、その時に見た夢?の中で、不思議な光景を見る。それが、DarkEchoの世界。その中で見た『赤い音』が、葵の記憶を呼び起こす。
茜の失明と、まるでリンクするような何も見えない世界の中で見える『音』。葵は、『茜と手を繋いで眠ったら』この世界に入ったことに、意味を感じ……?
茜の失明はどうなるのか。
葵の過去に何があったのか。
DarkEchoの世界は、何を意味しているのか。
『赤い音』に隠された意味とは何なのか。
話が進むごとに、疑惑は深まり、疑念は増えます。葵が抱く猜疑心に、視聴者も振り回されます。
その奥にある筈の真相が、気になって仕方が無く、なります。
そんな気持ちになって、最終話を是非見て欲しい。物語かくあるべしと、感じられることでしょう。
全9話。あっという間に感じられると思います。私は全てが投稿された後でこのシリーズを知りましたが、一日で全部見てしまいました。
是非見てください。
おまけ小話
この作品で、私はとあるBGMに強い思い入れを感じるようになってしまいました。
ずっと自分でも使いたかったんですが、どうにもその機会を作れず……でしたが、制作中の劇場でついに使うことができました(未投稿。
これ、とても嬉しいです。
この動画をお勧めしたい人
★★★ 骨太でシリアスな長編ストーリーが好きな方
★★★ 伏線を意識し、一話ごとに色々と考察したい方
★★ 仲が良い……だけじゃない琴葉姉妹が見たい方